禁断の実は満月に輝く:バリバラ

  • 8 年前
三角形三角形三角形三角形三角形三角形三角形主人公の光司(28)は「ダウン症のイケメン」を自称する超ポジティブな障害者。ところがある日、自分が原因で、大好きな兄の結婚話がうまくいっていないと知り、ショックを受ける。

そこで、食べると障害がなくなるという「禁断の実」を求めて旅に出る決意をした光司。

一緒に旅に出るのは、もう一人の主人公、統合失調症の真(36)。真は、親から「こんなことも出来ないのか!」と言われ続けたトラウマを抱え、苦しんでいた。 「禁断の実」がなるという村にたどり着いた2人。
そこへ、怪しい男があらわれ、実が熟するのは3日後の満月の夜、と告げる。

村で待つ間、2人は宿泊先の民宿で、美しい娘・真由子に出会う。しかし、父親は娘を他人の目から隠し続けてきた。そんな真由子を外の世界に連れ出す光司。

一方、真は認知症のおばあさんとの交流を通して、
トラウマから抜け出そうとしていた。

そして「禁断の実」が熟したとき、
光司、真、父、娘が選択した道とは… 出演者 真 … ハウス加賀谷(統合失調症/松本ハウス)
光司 … あべけん太(ダウン症)
娘 … 佐野有美(身体障害)
警察官 … 松本キック(松本ハウス)
怪しい男 … 桂福点(全盲の落語家)
民宿の主人 … 神戸浩(俳優)
祖母 … 新海なつ(俳優)

【脚本家 桑原亮子さんのメッセージ】
プロフィール 1980年生まれ。小学6年生の頃から徐々に耳が聞こえなくなり、今は全く聞こえない。大学卒業後、脚本の執筆を始め、2014年、NHK大阪放送局が主催する若手脚本家の登竜門「第35回BKラジオドラマ脚本賞」の最優秀賞を受賞。 三角形脚本家 桑原亮子さんのメッセージ

障害をもってから、人と関わることが少し苦手になりました。相手に迷惑がられるのではないか、同情の目で見られるのではないか、そう思うと、新しく人と出会うのが怖くなるのです。ですが、人は互いに触れ合ったりぶつかったりしながら、少しずつ強くなっていくものだと思います。そのためには、いつまでも居心地のいい場所にいるわけにはいかない。そんな巣立ちを、このドラマで描いたつもりです。

前作『悪夢』で、ラウンジの人たちの力を借りて、障害のある自分自身を受け容れることができた真。今作では、光司とともに外の世界へ飛び出します。新しく出会う人々との関わりを通じて、二人はどう変わってゆくのでしょうか。

このドラマの登場人物は、とても少ないです。誰か一人でも欠けると、物語が成り立ちません。「いなくてもいい人」がいない、それは、私たちが生きている世界と同じです。

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